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森のクマさん

 つい先日、白馬の東山でクマに遭遇した。
毎日山にいれば、それは会って当然でしょ?と思われえる方も多いかもしれませんが、
実は樵がクマと出会うことは珍しい。サルやシカ、カモシカ、リスなどとは比べ物にならないくらい、
クマには出会ってこなかった。

 しかも、林内で刈払い機(草刈り機/ビーバー)をフルスロットルで低木、灌木を3人で刈っているときに出会ったのだ。
黒い塊が突如、斜面の上から下ってきて、30m先で静止、こちらを向いて、にらめっこ。

 子、子、子熊だー。
そうだ、こんなときは背を見せず、自分を大きく見せる。(ビビっているけど、)
後、エンジン全開でビビらせるしかない。ブーン。(本当は大きな音は良くないらしい)

 すると、ありがたいことに自分から背を向けて逃げてくれた。
フゥ。なんか熊さんに認められた気がした。

 そういえば、昨年ツキノワグマの捕殺件数が5000頭を越えて過去最高だったという記事を思い出した。
毎日木の命と向き合うも者として命に対して敏感でありたいと思う。
100年以上生きる樹種も数多く、ツキノワグマの寿命は24年ほどだそうだ。
人間の命もクマの命も木の命も大切だ。
10年以上も前に南米エクアドルの新憲法では、世界で初めて生態系にも権利が与えられ、
人と同じく尊重されることが明記された。

 ちょうどスギの単一林の下層にこれからを担ってくれる広葉樹を残しながらの刈払い作業行っている最中だった。
クマはどんな木が好みだろう?
ミズナラ、クルミ、クリ、とクマにも喜ばれる森づくりを少し考えてみた。