いつから始まったかは定かではないが、山創の会議室には本棚がある。
田舎暮らし、木材、樹木、林業、狩猟、きのこ、建築などジャンルは多岐に渡り(いや、ニッチだった) 、誰でも借りることができる。社員が掲載されているものもあるが、自分が読みたいを本をみんなで買う仕組みが整備されている。
1人が必要だと感じた知識は、実は他の人にとっても役に立つこともあるし、1度だけしか読まれない本のために大量に伐採される木々、推敲を重ねた筆者の思いや汗だくの配送員に寄り添ってみると、共同で本を所有することに意味があるように思える。
不定期で開催する森のまつりでも「森の図書館」としてお披露目したこともあった。
今回は最近入庫したおすすめの3冊について。
『多様性』 人と森のサステイナブルな関係 池田憲昭
ドイツ在住で森林文化最前線からの提案。
カラフルな言葉使い、もの見る角度や視点の違いからの具体的な提案がちりばめられている。
日本や森林、生きるために最も必要な視点がここに!
『サーキュラーエコノミー実践』オランダに探るビジネスモデル 安居昭博
SDGsの次はサーキュラーか?と新たな横文字を疑いながら参加した3日間のイベントで出会った安居くん(著者)の姿勢に心を奪われた。
アムステルダムに住み、様々な課題に対してビジネスを通して最前線で取り組むバランス感覚、謙虚さと視点の深さに学ぶ点が多い。
欧州のワカモノたちと一緒に取り組んだ実践実話や手書きのイラストなど日本が歩むであろう20年先の未来が鮮明に描かれている。
『チェンソーで木を伐る』 Woodsman Workshop LLP
Woodsman Workshopで4日間の講習をぎっちり過ごし、木を伐るために必要な一歩目を固めた。
日本の林業指導における第一人者と愉快な仲間たちで集めた本書の出版資金(CF)は予定額を大幅に上回り、林業に関わる人たちの期待の大きさを表している。
(マンダイ)