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森の恵み(香り編)

里山の景観整備でヒノキの枝葉をチップにしたものが出たので、それを使って精油(アロマオイル)を抽出してみました。

枝条破砕作業
枝条破砕作業
ヒノキの枝葉ををチップにした物
ヒノキの枝葉ををチップにした物

「水蒸気蒸留」という方法で香り成分を取り出すのですが、簡単に言うと、蒸し器で蒸す作業に似ています。

 

装置の最下層にお湯を沸かし、その高温の水蒸気で上にある原材料の香り成分を揮発させ水蒸気と共に取り出します。その香り成分を含んだ水蒸気を冷やして液体に戻すと、精油と副産物である芳香蒸留水になります。

 

精油に興味を持ってから、自分で蒸留する為に色々と試行錯誤して作成したのが、家庭用の蒸し器を利用した初号機(蒸留中にガラスの蓋が割れる事故により引退)。より効率的に精油を抽出する為に、長野県林業総合センター特産部の加藤さんに教えを乞い作成したのが、この「アロマ君2号」。

アロマ君2号
アロマ君2号

窯の部分は20リッターのペール缶を利用しています。加藤さん考案の、このペール缶蒸留装置は比較的ローコストで作成出来て、家庭でも使いやすいサイズ感がグッドです!

前回、サワラの枝葉を使って蒸留した時は、材料の詰め込み方が甘かったのか、精油を分離して取り出せるほどの結果が出なかったのですが、今回は・・・・。

 

 

 

出ましたー!

抽出された精油
抽出された精油

 (写真だと分かりづらいですが、上澄みのように分離している部分が精油)

少しづつ装置の改良をおこなった甲斐あって、2回の蒸留で約10kgの枝葉を使い、およそ40~50mlの精油が出ました。が、副産物の芳香蒸留水と精油を分離する過程で、技術不足と道具不足により最終的に得られた精油は30mlほどか・・・。これから脱水作業などをするなかで、もっと減ってしまいそうな感じ。

 

なんでも自分でやってみると良く分かりますが、精油が高いのも納得ですね。香りはと言うと、森林をダイレクトに感じさせるような濃い緑の香り。ヒノキの精油の成分には抗菌効果や抗うつ効果があるそう。

 

森林整備で林内に残してきてしまう枝葉を利用することが出来る所に可能性を感じます。昔は木を伐っても余すところなく利用したから、山の中がもっときれいだったと聞きます。これからは違った形で利用する事できれいになっていくといいですね。

 

森の恵みの幅広さに敬服しつつ、この精油を使ってまた別の物を作れたら面白いなぁと思っているので、次回も乞うご期待!

 

吉原

 

 #山仕事創造舎 #精油 #アロマオイル #森の恵み