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山創で2022年度から始めているゼロカーボン的な取り組みまとめ

 令和5年度も後半戦に入りました。昨年のウィンターシーズンはあまり良い雪に恵まれなかったですね。ここ最近、シーズンインはイイ感じで積もり始めるのですが、春みたいな暖かさになって、おまけに雨が降ってしまうパターンが毎年の恒例になっています、これでは雪が解けてしまいます。今年は北アルプスへの初冠雪は平年より少し早かったですが、どうなるでしょう。


 はるか地球の極地では、氷河がすごい勢いで溶けているそうで、溶けた水が氷に穴を穿って、氷河の中に大河が形成されているそうです。崩れた氷河は海に溶け出して海面が上昇しています。溶け出す氷河の映像を見たのですがとてもショッキングな光景でした。何千年間も凍っていた物が溶けてしまい、危ない物質が放出されたりしないのでしょうか。


 山創で昨年度からはじめている「ゼロカーボン的」な取り組みのご報告です。
 
1.    生分解性の樹木テープ
 少し前の話ですが、奈良公園の鹿(天然記念物)のお腹の中から約5キロのビニール袋が出てきたという衝撃的なニュースがありました。個人的には、5キロも溜め込んでも生きていられた事に驚いたのですが、当の鹿は長い間苦しんでいたと思います。

 奈良公園は、環境としては特殊な場所に暮らしている鹿さん達ですが、我々キコリは逆に山と言う野生動物の縄張りに入っていって活動します。なので、それなりに気を使います。例えば、伐採の時には全ての木を伐らずに餌場や住処になる木はわざと残したりします。他にチェーンソーに使用するオイルは自然に分解される植物性のものにしています。

 さらに今年度は、作業の目印として木の幹に巻くビニールテープを、すべてでは無いのですが『生分解性』のものにしました。また “地面に落ちている使い終わったテープを拾うと、その日の運が上がり怪我をしない” と言う「ジンクス」も社内に広めています。

2.    バイオマス燃料入りの軽油
 ゼロカーボンチームが立ち上がった時からどうしてもやりたかった、化石燃料の消費を減らす取り組みの一つですが、やっと実現する事ができました。
 長野県塩尻市の「寿バイオ」さんから、バイオマス燃料を混合した「B5」燃料を購入させていただいています。バイオマス燃料と言うのは、廃油から精製された燃料のことです。寿バイオさんが運送屋さんもされている関係で、北に向かう便で配達していただいています。

 今は、トラックのみで使用していますが、ゆくゆくは現場で使う重機もバイオマス燃料で動かしたいですね。ゴミで車が動くってすごくないですか?未来から帰ってきたデ〇リアンみたいです。

バイオ軽油入りのB5燃料でエコ林業
バイオ軽油入りのB5燃料でエコ林業

3.    お洋服のリサイクルボード
 街中での支障木伐採作業で、アスファルトやコンクリート上での作業となる場合、重機がそのまま歩くと路面に傷がついてしまうことが考えられます。そこで、今まではプラ板と言うプラスチックで出来た大きな板を敷いていました。しかし、寒いと割れちゃうんですよね、プラスチックって、しかも重いです、腰に来ます。
 それに比べて、新しく導入した衣料などの繊維をリサイクルしたボードは、一回り小さいですが軽いです。そして割れません、丈夫です。最初は、元が服だから弱そうとなめていましたが、繊維って集めて固めると強靭ですね。すぐにお気に入りになりました。

衣料等の繊維リサイクルボードは、使い勝手抜群(左の2枚)
衣料等の繊維リサイクルボードは、使い勝手抜群(左の2枚)

 

 以上が、山仕事創造舎の「ゼロカーボン」的な取り組みのご紹介です。

 

 導入に手間はかかりましたが、コスト的には少し安くなったり(嬉しい誤算)、利便性が向上したりと、無理をして環境負荷を減らしている訳ではないです。もっとも、簡単に出来るところから取り組んでいるとも言えますが・・・。まだまだできそうな取り組みはあるので、進めて行ければと思います。


 最後までお読みいただきどうもありがとうございました。(川面)